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石川佳純、「みうみまひな」だけじゃない!卓球女子、15歳の新星も。

4月29日~卓球世界選手権開幕。宮﨑強化部長に聞く、女子日本代表の現在地②

 

日本では希少なタイプの早田ひな

--続いて、早田ひな(世界ランク18位)。同世代の平野や伊藤が速さを武器に前陣でプレーするのに対して、早田は台から離れた中陣で打ち合える左利きの大砲。身長166センチで手足が長い。

宮﨑 早田ひなは体格が大きく、パワーを活かした卓球です。高3トリオの中では一番ランキングも実績も落ちますが、新しいチキータなどの最先端の卓球に、試合に負けても取り組める時期があって、それが今、糧になって上の3人に近づいてきた。

成長して互角になったら、球の威力のあるほうが勝つ可能性が出てきますからね。伊藤みたいに意外性はないし、平野みたいに速攻性はないし、石川みたいに安定性はない。ただ、3人にはないパワーがある。

--細かい台上の技術や、速さへの対応が課題と言われます。

宮﨑 パワーのある打球というのは打点を落としてスイングしますから、平野みたいな速さで来られると、対応する時間がない。だから、まだ代表の中では4番手ですよね。

 でも若いし、パワー卓球をやれる選手が女子にいないので、相手の速さをしのぎ切って打ち抜けるラリー力を身につけたら、全部まとめてやっつけて早田がエースになる可能性はあります。身体ができてくる20歳の頃、2年後の東京五輪の頃にそうなるかも知れない。

--今度の世界選手権は全部シングルスですが、ダブルスの名手としても知られます。

宮﨑 ダブルスに強い要素を全部、早田は持っているんです。まず左利きで、右の平野や伊藤と組める。ダブルスは右と左で組んだほうが断然有利ですから。

 それから交代で打つ分、1本打った後に時間があるから、フォアハンドに回り込んでパワーのあるボールを打てる。シングルスだと、打った後にすぐ次の球を打てる体勢になっていないといけないから、回り込むとスペースが空いてしまい、戻る必要があります。でもダブルスなら次はパートナーが打つから、すぐ戻れなくてもいい。思い切って動いて、強いフォアハンドを打てる。

 左利きで、パワーがあって、動けて、フォアハンドが強い。これがダブルスに強い選手の条件。まさに早田ひなそのものです。

--5人目の代表に抜擢された長﨑美柚は15歳。今年の全日本選手権ジュニア女子シングルスで優勝しました。

弱冠15歳で、女子日本代表に選出された長崎美柚。東京五輪に向けても注目の選手だ。
(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

宮﨑 長崎美柚は期待の新人です。今大会の出番は少ないと思いますけど、次の世代を将来的に育てないといけないので、勉強ということで代表の末席に入った。

 プレースタイルは早田ひなとよく似ています。左利きで身長は164センチ、ひなよりもパワーがあるかも知れない。日本人ではナンバーワンといえる彼女のパワーが世界に通用しだしたら、今までの日本人にはない戦い方ができる。175センチの中国選手とも互角に打ち合える選手になれる。まだ荒削りですけど、将来はいい選手になれると思います。

第3回に続く。次回は男子の張本智和らの話も交えて、打倒中国について聞いていく。

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田端 到

たばた いたる

1962年生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。競馬、野球を中心に著書多数。趣味は五輪競技アスリートのSNSを観察すること。卓球は17年アジア選手権と18年グランドファイナルを現地観戦。


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